出願や入試当日に向け、保護者はまず各学校の募集要項を熟読する必要がありますが、それに加えて、前年以前受験の保護者による、実体験に基づいたアドバイスや留意点を出願前に確認しておくと役に立ちます。
日能研の場合は、日能研教室生向けホームページのマイニチノウケン(MyNichinoken)内にある「合格ホットライン」を確認すると良いかと思います。
この「合格ホットライン」、2021年までは過去2年分の情報が掲載されていたのですが、2022年4月頃のマイニチノウケンのホームページリニューアルにより、2022年10月時点では過去1年分(2022年入試情報)の情報のみになっています。
毎年11月(以前は11月初だった記憶がありますが、2022年は11/19頃でした)に今年(今回は2023年)入試情報が追加されるのですが、おそらくそのタイミングで2022年入試情報が削除されてしまいます。
上記の通り、以前は過去2年分の情報が掲載されておりました。また、保護者が確認したい学校について、たまたま2023年入試の保護者回答が集まらなかった等により、情報が減る(最悪、情報が無くなる)可能性もあります。
そのため、2024年入試に向けては、10月のうちに、2022年入試情報をとりあえず保存しておくと良いかと思います。
「合格ホットライン」とは
「合格ホットライン」(合格HOTLINE)は、前年度受験者の保護者が受験終了後に日能研に提出した「学校別の入試アンケート」の回答内容をもとに、日能研で取り纏めて「マイニチノウケン」で公開しているものです。
どうやら日能研の「合格ホットライン」というコンテンツは10年以上前からあるようです。上記のとおり、現在は前年度分のみ公開される仕組みです。
アンケート用紙は、以前は12月頃の最後の保護者会にて、受験生保護者に対して紙で配布されます(確か、2023年入試分からWebでの入力に変更されたはず)。回答欄は出願、試験当日、合格発表・入学手続き、志望理由やその学校の次年度受験生へのアドバイス、あとは面接・実技に関する回答欄(該当する学校の場合のみ回答対象)もありました。
アンケートなので、そもそも回答は任意で、出願や学校行事のみの回答でもよいとのことでしたが、保護者が日能研に提出するものであり、日能研側でも取り纏めの際に内容をチェックしてから「合格ホットライン」に掲載しているはずなので、「合格ホットライン」の記載内容は少なくともネット上の掲示板や個人ブログ(もちろん本ブログ含む)よりは信憑性は高いです。
なお、四谷大塚は同様の情報を、ありがたいことに一般公開しています。
以下、例です。
- 下のほうにスクロールして「中学校を検索する」で、「桜蔭」で検索
- 桜蔭のページに遷移したあと、「過去受験者の耳寄り情報」をクリック
日能研通塾生も、「合格ホットライン」で情報が取得できなかった場合などは、上記を参照してみると良いかと。
「合格ホットライン」の掲載場所
マイニチノウケンにログイン後、「合格ホットライン」にたどり着く方法は2通りあります(他にもあるかも)。
①「学校情報」→いちばん上の「中学校索引」から学校を検索→「合格HOTLINE」ボタンを押す
②「入試サポート」→いちばん下の「合格HOTLINEリンク集」→「選択校リスト」タブ→見たい学校の「詳細」(「選択校リスト」に目的の学校が無ければ「学校検索タブ」で検索)
合格HOTLINEの画面は、「想い」「出願」「入試」「面接」「実技」「発表」の各カテゴリ(「面接」「実技」は入試で課される学校のみ)から構成されています。
2022年4月のマイニチノウケンのサイトリニューアル後、PCではカテゴリ毎のタブで表示され、携帯からは1つの画面で縦長に表示(当方android環境では最初の「想い」以外は折りたたまれて表示)されるようになったようです。
ちなみにページ保存方法は、PCではchromeなら右上の縦点3つのアイコン→「その他のツール」→「名前を付けてページを保存」が手っ取り早いかと思います。(タブボタンなど、見た目はちょっと変わるようですが全タブとも、文字の情報は保存できているはず)
なお、携帯の場合は正直わからないですが・・・当方android環境では「想い」など全てのタブを折りたたまずに表示させてから保存する必要がありました。
iphoneの画面キャプチャで保存、であれば、例えば以下の方法なら、全画面保存できそうです。但し、この場合も先に「想い」以外の折りたたみは全て表示させる必要はありそうです。
もちろん、直近の情報はマイニチノウケンで直接確認すればよく、上記はあくまで過去分を(消える前に)とりあえず保存する場合の話です。
「合格ホットライン」を確認する際の注意点
上記の通り、あくまで前年の保護者のアンケート回答ですので、以下の点は気を付けてください。
今年、募集要項が変更になった点は考慮されない
例えば、少し古い話ですが2020年まで女子御三家はいずれも窓口出願でしたが、コロナの影響等により、2021年はインターネット出願に変更になりました。従って、出願書類の入手方法、出願日早朝に何時から並んで何番目だった(2019年まで、女子校はかなりしんどかったらしいです)、という箇所は2021年に変更になりました。
このような変更については、日能研側でも補足追記されているようですが、募集要項を読んで分からない点があれば、特に今年度からの変更の場合は学校に電話照会して良いかと思います。
他に、出願時に志望動機を書く必要がある場合に、「文化祭で~」「オープンキャンパスで~」等と記載した、という回答があった場合、特に2022年情報の場合は2021年の文化祭等が非開催もしくはオンライン開催等だった場合がある点は注意が必要です。
なお、2023年は概ね文化祭は開催されましたが、特に女子校・共学校はミライコンパス先着順または抽選で入場者数を制限する学校は依然として多くありました。
志望動機について補足すると・・・
特に女子校では、出願時に志望動機をミライコンパス上で記入する学校があり、特に面接がある学校を受験する場合は、出願前に合格ホットラインの「想い」「出願」「面接」タブの情報を参考にして、出願前に志望動機を準備しておくと良いです。
基本的には合格者の保護者の回答である
合格手続きなど一部を除き、不合格者の保護者でもアンケートにはほぼ回答は可能ですが、実際には不合格だと回答する気にならないものかと思います。
例えば、出願時に併願校を正直に書いた、という回答があれば、それは合否には特段関係ない(普通そうかと思いますが)と考えて良いかと思います。
一方で、受験生へのアドバイスで「過去問は10年分やりました」等、過去問にしっかり取り組んだとの記載が意外に多く見受けられます。意図的に日能研がそのような回答を抽出して掲載しているわけですが、一般的に日能研は各教室ではそのような指示はしないと思いますので、合格者の中にはそこまでやる人もいる、ぐらいに考えておけば良いかと思います。
あと、2/2以降の試験について、締め切り30分前に出願したが問題なかった、といった回答もあると思いますが・・・このような締切直前の出願については、当方はお勧めしません。
2023年入試では、どこかの新興校が、2/1の午前・午後ともに合格発表が2/1 23:00から大幅に(少なくとも2時間近く)遅延したことを契機に2/1深夜から大炎上しましたが、合格発表遅延はどこかの新興校に限った極端な例、ではないです。他の炎上理由はともかく。
少し話がそれますが、2022年9月以降、ミライコンパスの仕様が変わり、ミライコンパス混雑時は「待機時間」が表示されるようになりました。
特に2/2と2/3は、前日(2/2受験なら2/1)までの合否によって、上位校にチャレンジするか抑え校を受験するか決める人も多いかと思います。
2/1受験分の合否が2/1の23時にwebで発表予定、2/2試験の出願締め切りが2/1の23:59の場合、計算上は2/1の合否確認後に出願(受験料支払)すれば間に合うのですが、同じ考えの受験生がたくさんいるかもしれず・・・
2/1分の合否発表が遅れて(またはサーバが混雑していて確認が遅れて)、2/1の23時過ぎに2/2分の出願のためにミライコンパスにアクセスした際に「あなたの待機時間は約60分です」などと表示された日には、最悪、受験料をケチったがために受験機会を失うことになり得ます。
おそらく、ミライコンパスの仕様変更前でも、混雑時はサーバに繋がりにくかったはずで、実質的には同じことかもしれませんが。
ということで、受験料節約のために締め切りギリギリに出願するのは、結構リスクが高いと思います。
11/19追記: 以下記事で、少し詳しく書きました。
100%正しい情報、とまでは言えない
アンケートに回答した保護者の立場で書くと、特に、試験当日の試験会場の様子は受験者しか分からない(他はほぼ保護者)ので、保護者は子供から聞いて(分かる範囲で)書いています。ただ、例えば試験中にトイレに行った場合、そのまま席に戻って再開できるか否かなど、もしかしたら例えば午前受験校と午後受験校をごっちゃに子供が記憶しているかもしれません。
また、保護者も細かいところまでは正確にアンケートに回答しているとも限りません。下記の記事は僕の2020年栄東A日程の受験体験記ですが、「合格ホットライン」の掲載内容と微妙に違うところがありました。(もちろん僕が間違っているかもしれませんが、もう忘れました)
ついでに、2023年1月の佐久長聖の受験体験記は以下です。
なお、当然ながら、日能研に都合の悪い回答は掲載されません。正直言うと、当日学校に向かう前に別の場所に連れていかれて、どこかの知らない先生?から偉そうな態度で何分もウンチク聞かされるのは正直言って迷惑でした。これは我が家だけかもしれませんが。
「合格ホットライン」で確認しておきたいこと
以下、あくまでも例です。記載が無い場合もあります。
「想い」タブ
志望動機を考えるにあたり、他の受験生の志望動機の記事(「受験・進学の決め手」)については参考にはなると思いますが、そのまま自身の子供に当てはまるわけではなく、自分で考える必要があります。なお、あくまで過年度の情報であることはご注意ください。
あと、このタブに限っては、5年生以下でも読んでみると参考になると思います。
志望理由や学校イベントの印象、あと、合格者から受験生へのアドバイス等が投稿されていますので、本人のモチベーションをアップさせる方法とか、志望校(併願校)選択とか、来年ここだけはこのイベントに行っておきたいとか考える際に参考になるかと思います。
なお、 受験生へのアドバイスで「過去問は10年分やりました」等、過去問にしっかり取り組んだとの合格者の投稿が目に付くかもしれませんが、一般的に日能研通塾性の過去問開始時期は遅いので、そこは通塾している教室の方針に従っておけばいいです。
「出願」タブ
これはもちろん出願前に読んでおきたいタブです。
- web出願完了(受験料払込完了)時刻と受験番号(例:2020年栄東A日程では出願開始11分で受験番号500番台でした)←学校説明会で説明された日時より前に受験料払込完了までできた場合も実際にありました。※窓口出願の場合は何時から並んで受験番号が何番だったか
- web出願で回答する項目(併願校、志望動機、学校欠席日数などの回答が必要であれば出願前に検討・確認しておく)
- 報告書など、小学校の校長/先生に(主に冬休み中に)準備いただく必要がある場合の期限や内容
上記は「出願」タブの箇所のみですが、それ以外では下記も出願前に確認しておきたいところです。
- 受験時に、学校から出る時刻(午後試験開始時刻に間に合うかを確認するため。女子校など面接がある場合は特に注意)
- 合格時に必要な手続き(受験票持参で書類を受け取ったり、所定の金額を現金持参または振込んだり。他校受験の送り迎えを考えると、手続きの時間がかなりシビアな場合があるので各自で確認が必要)
念のため、各学校の募集要項は出願前に精読しておくことが大前提です。
「入試」タブ
これは入試当日の過ごし方の話です。
まず、受験生が関係する、集合と解散(特に解散)については試験前日など直前に確認しておくと良いです。
一方、保護者のみ関係する話として、保護者控室についての情報も多数記載されています。特に2021年入試ではそもそも保護者控室を設置しない学校も多数ありましたが、その後は徐々に緩和されてきています。
もっとも、当方は2020年/2023年入試ともに、殆ど保護者控室には残りませんでした。
「面接」タブ
※もちろん面接の無い学校の場合は、タブも表示されません。
面接がある学校を受験する場合は、このタブは必読です。
もちろん塾の各教室の先生も、面接で何を聞かれるか、については情報収集しているはずですが、実際のところ、面接演習以外はともかく、資料としては、みくに出版の「進学レーダー」入試直前号の面接ページが一部コピー配布される程度です。
なお、面接でなにを聞かれるか、については、他にも、ぐぐれば例えば下記のような情報も見れます。(以下はコロナ前の2020年の情報のようです)
http://www.chu-jukennavi.net/pdf/mensetsu.pdf
以下少し話が反れますが、2021年入試以降、女子校の面接は1月になってから急遽中止になることがあります。
2021年入試:1月になってから、面接に特に意欲的な日本女子大附属と、慶応を除いてほぼ面接中止に。
2022年:結局は2021年とほぼ同様、ほぼ中止。
2023年:女子学院と雙葉が面接中止になって、また面接中止ドミノか?と思ったが、その後は結局、特段追随なかったかと。
さすがに2024年入試では、募集要項に面接あり、と記載されていたら、中止にはならないと思いますが・・・
なお、個人的には、実際のところは、子供なりの志望動機と入学後やりたいことが言えればいいか、ぐらいに考えてます。
実際、35年ほど前ですが、上記2つとも絶対にまともに言えるわけがなかった当方が面接ありの学校で合格しているのでw
「発表」タブ
合格発表方法もありますが、保護者は入学手続きに関する記事は特に読んでおくと良いです。
試験当日の保護者の行動シミュレーションは、受験校の合否結果ごとに事前に検討しておくべきかと思いますが、そのときにこの情報が重宝しますので。
なお、繰り上げ合格に関する記事は、その年により状況が変わるかと思うので参考程度でよいかと。
さいごに
余談ですが、当方自身が「合格ホットライン」にお世話になったので、当方もアンケートには回答しており、いくつか2020年入試情報分の「合格ホットライン」に文章が掲載されていました。(2023年入試情報については、当方はブログ更新を優先したため投稿していません)
さて、現時点(2022年入試情報)時点では、広尾学園小石川ですら「合格ホットライン」の情報が無い(四谷大塚も少ない)ですが、そうすると、2023年入試情報では、あの新興校の「合格ホットライン」情報の掲載はさすがに期待できないですね・・・
その場合は、以下参考にしてくださいw
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